今日のお話しは2020年1月にラジオ「心のともしび」で放送されたものです。

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坪井木の実
ナレーターの坪井木の実さん

このページに心のともしびラジオ番組の話がでます。
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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

ひたすら前に

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

 「ひたすら前に」という今回のテーマが何を指しているかは、皆様もよくご存じだろうと思います。一言でいえば、向上心ということではないでしょうか。

 命あるすべての生き物は、成長・発達しようとします。それは生命の衝動です。子どもは大人になりたいと願っています。大人は成熟したいと思っています。年寄りは、死を超えた永遠の命に生きたいと憧れています。勉強でも仕事でも生き方でも、進歩・発展することが、生命の法則なのです。ですから、日々の生活の中でも、何をするにしても、まずより良くしていこうという決意を新たにしなければなりません。それから、一歩を踏み出す覚悟が大切です。

 わたしは山登りが得意ではありませんが、今まで3回富士山に登りました。30歳頃の話です。

 そのうち、道のない火山灰で覆われた富士山の中腹から、友人と二人で頂上を目指したときのことです。午後2時に登山を開始し、午後5時にわたしは頂上に到着しました。友人は1時間遅れて着きました。

 道のない山の登山など経験したこともないので、途中、怖い思いもしました。高い山というのは午前中、お天気が良くても、午後は殆ど必ずと言っていいくらい曇りはじめ、急変してきます。

 その時の経験ですが、目的地は頂上ですが、目の前の一歩一歩に神経を集中して登るのです。頂上を見上げるとああまだだと思うし、下を見ると絶壁に見えるので、怖くて下山もできません。午後から霧が出て先が見えないと、「神さま助けてください」と祈りました。すると不思議にも空は晴れてくれました。溶岩にしがみつきながら、やっと頂上に登り、眼下を見下ろしたときは壮観でした。