「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

レジリエンス

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 ストレスの多い現代社会において、「レジリエンス」という概念が注目されています。何か辛い体験に遭った時、落ち込んでしまうのではなく、その現状に適応し、立ち直ることができる回復力というような意味です。

 半世紀以上の人生を経て、時折、私が実感することは、人生は紆余曲折、生きることは闘いということです。しかし、世界中のニュースを見聞きしていると、たくさんの人々が、私の想像を絶するような悲惨な状況に身を置きながらも、その只中で力強く生きていることがわかります。私は、そのような人々から、人間の強さ、生への願望、生きる力を感じ、人間は生きるために、さらに言えば、一人一人にいのちを授ける大きな存在に対して、与えられている人生に心から応え、個々の「存在」を明らかにするために、生かされているのだと感じます。

 与えられた境遇、環境は人それぞれに違います。しかし、いろいろな厳しい試練に挫折し、心が折れてしまう人、逆にその経験をもバネにして成長していける人がいます。その違いを生み出す力が 「レジリエンス」です。決して、他人との比較の中で強いという意味ではありません。

 どんなに辛く、過酷な状況に陥っても、それを乗り越えてその後の人生を生き抜いていくという「レジリエンス」は、自分の特性や能力、努力だけにかかっていることではありません。心を開き、安心して自分自身でいられる、「そのままでいいよ」と、あるがままの自分の存在を肯定し、根底からサポートしてくれるような存在、関係性が大切だと思います。

 キリスト者の私にとって、いのちと人生の与え主である神様のいつくしみを味わい、信頼するということが私の「レジリエンス」です。