今日の心の糧

今日の心の糧をメールでも配信しております。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

今月のラジオ放送の執筆者をお知りになりたい方はこちらをご覧下さい。

坪井木の実
 

ナレーターの坪井木の実さん

このページに心のともしびラジオ番組の話がでます。
毎日お話が変わります。


▲をクリックすると音声で聞こえます。

仕事と私

シスター渡辺 和子

今日の心の糧イメージ 「何を考えながら、仕事をしていますか」突然、背後から英語で問いかけられた私は、手早くしていた皿並べの手を止めて、「別に何も」と答えました。すると返ってきたのは、厳しい叱責。「あなたは時間を無駄にしています」アメリカのボストンで修練者として生活していた、ある昼下がりのことでした。

百数十名のシスターたちの夕食の配膳を割り当てられていた私は手際よく、しかし心の中では「なんとつまらない仕事、早く済ませてしまおう」とだけ考えていました。

「同じ並べるのなら、やがて食卓につく一人ひとりのために、祈りながらしたらどうですか」修練長は諭すように言われ、何も考えず、ロボットと同じく機械的に仕事をしていたのでは、時間がもったいないということを教えてくださったのでした。

「つまらない、つまらない」と考えながら過ごした時間は、私の人生の中に、つまらない時間として刻まれ、「お幸せに」と願いながら過ごした時間は、同じ時間でも、愛と祈りのこもった30分として残るのです。時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方であることを、その日、私は教えられました。

仕事は、すること(doing)も、もちろん大切ですが、どういう気持ちでしているかという私のあり方(being)を忘れてはいけないのです。

私が、「お幸せに」と祈りながらお皿を並べたから、夕食に座ったシスターたちが幸せになったかどうかは、わかりません。

私が変わりました。仕事に対して不平不満を抱くことがあった私が、少しずつではあっても、与えられた仕事を一つひとつ意味あるものとして、ていねいに向き合う私になってゆきました。雑用は、用を雑にした時に生まれるのです。